コンビニのレジで、飲食店のホールで、店員さんに横柄な態度をとる人がいます。「ああはなりたくないな」――そう思える時点で、あなたはもう合格です。偉そうな人がみっともないことくらい、40代・50代にもなれば誰でも知っています。
だから、この記事ではその先の話をします。本当に厄介なのは、自分では「優しい人間」のつもりでいるのに、無意識に相手を選んでいる――もっと巧妙な「分け隔て」のほうです。
「偉そうな人はダメ」は、もう誰でも知っている
声を荒げる。ため口で命令する。釣り銭を投げるように受け取る。こういうわかりやすい横柄さは、もはや論外です。今さら指摘するまでもありません。
問題は、声も荒げず、丁寧な言葉を使っているのに、それでも相手にされない男がいることです。なぜか。答えは、優しさの「出し分け」にあります。
本当に見られているのは「誰に優しくしないか」
若くてきれいな女性店員には、笑顔で、丁寧で、やわらかい。ところが、中年の、それほど華やかではない女性店員には、急に素っ気なくなる――。
この切り替えを、本人は隠せているつもりでいます。でも、周りはちゃんと見ています。とくに、知性があって魅力的な女性ほど、一瞬で見抜きます。
なぜなら、彼女たちの目には、こう映るからです。
この人は、相手の若さや見た目で態度を変える人だ。ということは――私もいずれ歳をとれば、同じように雑に扱われる。
未来の自分の扱われ方を、目の前で予告されているようなもの。だから、賢い女性ほど静かに離れていきます。あなたが今、いちばん好かれたいと思っている、その相手から。
分け隔てない男のまわりに、なぜ人が集まるのか
逆を考えてみましょう。相手が若かろうが、年配だろうが、男だろうが女だろうが、同じトーンで優しく接する男。こういう人のまわりには、不思議と老若問わず人が集まってきます。理由は2つあります。
ひとつは、安心感です。「この人は誰に対しても態度が変わらない」とわかると、人は警戒を解きます。自分も値踏みされない、雑に扱われない、と確信できるからです。
もうひとつは、連鎖です。女性は、他の女性が楽しそうにしている場所に集まる傾向があります。一人が心地よさそうにしていると、その空気そのものに人が引き寄せられる。分け隔てのない態度は、その「楽しそうな空気」の発生源になるのです。
結局、いちばん得をするのは自分
そして、ここがいちばん大事なところです。分け隔てなく優しくいることは、誰かのための我慢ではありません。巡り巡って、自分の環境を整える行為です。
相手によって態度を切り替える生き方は、実はとても疲れます。「この人には丁寧に、この人には適当に」と、無意識の値踏みを一日中続けることになるからです。
誰に対しても同じでいい、と決めてしまえば、その計算がいらなくなる。心がフラットになり、自分のまわりには、穏やかで心地よい人間関係だけが残っていきます。優しさは、最後にいちばん自分を楽にしてくれるのです。
私が50代になって、確信していると
20年以上、中間管理職として上と下の板挟みで生きてきて、本当にたくさんの人を見てきました。そこでははっきりわかったことがあります。相手の立場や見た目で態度を変える人のまわりからは、長い目で見ると、必ず人が離れていく。
逆に、肩書きのない相手にも、自分より若い相手にも、同じ温度で接していた人は、歳を重ねるほど慕われていました。コンビニや飲食店での数秒の振る舞いは、その人の生き方そのものの縮図です。誰も見ていないと思っている場面こそ、いちばん本性が出る。これは、個人の実感ですが、まず外れません。
今日からできる、3つのこと
- 自分が「いちばんぞんざいに扱いがちな相手」を思い浮かべる。立場の弱い人、自分に得をもたらさない人。そこにこそ、本性が出ています。
- 店員さんへの「ありがとう」を、相手が誰でも同じ温度で言う。若い人にも、年配の人にも、まったく同じトーンで。これだけで十分に伝わります。
- 「人を値踏みするのをやめる」と一度だけ決める。決めてしまえば、毎回の計算がいらなくなり、自分がいちばん楽になります。
まとめ
誰に優しくするか、ではありません。誰にも同じでいられるかです。コンビニや飲食店の数秒に、あなたの品格は驚くほど正直に出ています。
人を選んで優しくする男は、いずれ選ばれなくなる。誰にでも同じ男のまわりにこそ、人は残る。今日のレジの一言から、変えていきませんか。
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