あなたの髪型は、いつ決めたものですか?
私がこの問いに向き合ったとき、背筋が寒くなりました。20年以上、髪型をアップデートしていなかったのです。20代のときに「これでいい」と決めた形を、そのまま50代まで持ってきていた。
この記事で伝えたいのは、ひとつだけです。髪型は、自分で決めてはいけません。その理由と、代わりにどうすればいいかを書きます。
自己イメージと他人の目には、桁違いの乖離がある
まず、認めなければならない事実があります。自分がイメージしている自分と、他人から見た印象には、桁違いの乖離がある。
鏡を見るとき、私たちは無意識に「見たい角度」から、「見たい自分」を見ています。しかも毎日少しずつ変化するので、変化に気づけない。ゆでガエルと同じです。一方、他人は正面から、後ろから、明るい場所で、容赦なく現在のあなたを見ています。
だから、髪型の判断基準は自分の好みではなく、あくまで他人目線に置く。ここを間違えると、どれだけ手をかけても方向がズレていきます。
20年前の髪型が、今の顔に合うはずがない
私の失敗を、正直に書きます。
他人目線で考えるようになって、初めて気づきました。私の髪型は、20年以上前のままだった。当然、今風ではありません。そして何より問題なのは、年齢相応になった顔に、20代のときの髪型が合うわけがないということです。
顔は変わります。輪郭がゆるみ、髪質が変わり、白いものが混じる。にもかかわらず、そこに乗せる髪型だけが20年前で止まっている。傍から見れば、これほどちぐはぐなことはありません。
気づいた今となっては、当時の自分が滑稽に感じられます。本人だけが「いつもの自分」と思っていた、あの姿。服にも消費期限があると書きましたが、髪型にはそれ以上に厳密な消費期限があります。顔の変化に合わせて、更新し続けなければならないからです。
プロに任せる。ただし、要件は自分で伝える
では、どうするか。男性カットに慣れた美容院で、相談することです。自分で決めるのをやめて、プロの目に判断を委ねる。
ただし、丸投げではありません。「どうなりたいか」の要件だけは、自分が伝えるべきです。私が必ず伝えているのは、次の3つです。
- 清潔感が増すこと。最優先はこれです。かっこよさより先に、清潔感。40代・50代の髪型は、ここを外したら何も始まりません。
- できれば英国紳士のイメージで。言葉で伝えにくい方向性を、ひとことで共有できる便利な表現です。品があり、きちんとしていて、崩れすぎない。この一言で美容師さんとの認識が揃います。
- 長いより短いほうがいい。私たちの年代では、短いほうがうまくいくことが圧倒的に多い。長さは清潔感を損ないやすく、手入れの難易度も上がります。
この3つを伝えれば、あとはプロが今の顔と髪質に合う形を提案してくれます。要件は自分、デザインはプロ。この役割分担がいちばんうまくいきます。
散髪の間隔は、最長でも4週間
もうひとつ、決めておくべきことがあります。散髪の間隔は、最長でも4週間。これを超えないようにします。
髪は毎日少しずつ伸びるので、崩れていく過程に本人は気づけません。「まだ大丈夫」と思っている時期が、実はいちばん見苦しい。だから感覚ではなく、日数で管理する。
次の予約を、店を出るときに入れてしまうのがおすすめです。判断を挟まないので、確実に続きます。積立の自動設定と同じで、意志の力に頼らず仕組みにしてしまうのが正解です。
そして毎朝、必ずセットする
最後に、いちばん軽視されがちなポイントです。どれだけいい髪型にしても、毎朝セットしなければ意味がありません。
プロがつくった形は、乾かし方とスタイリングを前提に設計されています。何もしなければ、ただ伸びた髪が乗っているだけ。カット代が丸ごと無駄になります。
はっきり書きます。髪の毛がボサボサのおじさんを、誰も見たくないし、近づきたくもありません。これは能力や人柄の話ではなく、単純に「手入れをしていない人」という信号を出してしまうからです。数分の手間で防げることを放置している、と受け取られてしまう。
髪型はカットで決まるのではなく、毎朝の数分で決まる。
今日からできる、3つのこと
- 自分の後ろ姿と横顔を、写真に撮ってもらう。正面の鏡では見えない自分が、他人が毎日見ている自分です。まずは現在地を直視するところから。
- 男性カットに慣れた美容院を予約し、3つの要件を伝える。清潔感・英国紳士のイメージ・短め。この3語で、方向性は十分に伝わります。
- 店を出るとき、4週間以内の次回予約を入れる。その場で決めてしまえば、迷う機会そのものがなくなります。
まとめ
髪型は、自分で決めない。プロに委ね、要件だけを伝える。4週間以内に更新し、毎朝セットする。やることは、これだけです。
20年前の髪型のまま歩いていた自分を思い出すと、今でも気恥ずかしくなります。でも、気づいた時点で変えられる。顔は年齢とともに変わっていくのだから、髪型もそれに合わせて変わっていくのが自然なのです。
鏡の中の自分は過去を見ている。他人の目だけが、今のあなたを見ている。



