香りで、私を思い出してもらえた|デートで同じハンドクリームを使い続けた話

カフェで男女が高級ハンドクリームを手渡しする親密な瞬間(高画質)

恋人になりたいと思った人と会うとき、私はいつも同じハンドクリームを持っていきました。フランスのサンタール・エ・ボーテの、ホワイトティーの香りです。

これまでに3人以上の方とのあいだで、この方法を試しました。そして、どの方とも良い関係になれました。

ハンドクリームのおかげだ、とは言いません。関係がうまくいった理由は、ほかにもたくさんあったはずです。ただ、相手からは何度も、この香りで私を思い出したと言われました。

この記事は、その話です。

目次

やったのは、一緒に使って、最後に贈ることだけ

方法は単純です。

  1. 普段の生活ではあまり出会わない、海外製のハンドクリームを1本用意する
  2. 自分の日常では使わず、デートのときだけ持っていく
  3. 楽しい時間を過ごせているときに、「これ、いい香りだよ。使ってみる?」と渡して、一緒に使う
  4. 何度かデートで使ったあと、同じものをプレゼントする

相手はそのハンドクリームを、日常の中で使うことになります。正直に言えば、私の狙いは、そのたびに私のことを思い出してもらうことでした。

香水ではなく、ハンドクリームにした理由

香水でもいいのでは、と思われるかもしれません。私がハンドクリームを選んだのは、次の理由からです。

  • 自然に渡せる。「乾燥するね、使う?」のひと言で、その場で一緒に使えます
  • 贈っても重くならない。香水は好みがはっきり分かれますし、贈り物としても少し踏み込みすぎます
  • 相手が日常で何度も使う。手を洗ったあと、寝る前、乾燥した日。使う場面が多いものです

香りは、普段あまり出会わないものを選びました。ドラッグストアの定番の香りは、すでに相手の生活のどこかで、別の記憶と結びついているかもしれないからです。それから、男性の私が手につけても違和感のない、甘すぎない香りにしました。ホワイトティーは、その両方に当てはまっていました。

香りと記憶について、研究で分かっていること

香りをきっかけに昔のことを思い出す現象は、作家プルーストの小説にちなんで「プルースト効果」と呼ばれています。

2002年に発表されたハーツ氏らの研究では、香りをきっかけに思い出した記憶は、同じものの写真や名前をきっかけに思い出した記憶より、感情を強く伴っていました。参加者は、その場に引き戻されるような感覚も強く感じていたそうです。

もう一つ、「単純接触効果」と呼ばれる現象があります。何度も接するものほど、好意を持ちやすくなるというもので、心理学者のザイアンス氏が1968年に発表しました。

相手がハンドクリームを使うたびに、香りを通して私と接していることになる。私は、そこで単純接触効果に近いことが起きていたのではないかと考えています。こんなことにも単純接触効果は表れるのか、というのが私の実感です。

ただし、これは私の解釈です。単純接触効果の実験で確かめられたのは、言葉や図形、顔写真などに繰り返し触れた場合です。香りを通して人への好意が増すかどうかを調べたものではありません。

使うのは、楽しい時間だけ

私が守っていたのは、楽しい時間にしか使わないということです。

自分の日常で使えば、その香りには私の日常が染みつきます。デートが今ひとつだった日や、気まずい話が出たあとに使えば、その気分まで香りに結びつくかもしれません。香りで思い出す記憶が感情を強く伴うのなら、良い感情だけでなく、悪い感情も同じように残るはずだと考えたからです。

楽しくない時間を、香りで変えることはできない

誤解のないように書いておきます。ハンドクリームは、関係そのものを作ってくれる道具ではありません。

会話が弾まない、一緒にいても楽しくない。そういう時間に高いハンドクリームを重ねても、残るものはないと思います。香りが残せるのは、もともとあった楽しい時間のほうです。

それに、思い出してほしいというのは、あくまでこちらの願いです。思い出したときにどう感じるかは、相手が決めることです。香りが苦手な人や、そもそも好みでない香りなら、無理に使う必要はありません。私の場合は、香りで失敗したことはありませんでした。それでも、香りの好みは人それぞれです。

香りは、恋愛のためだけのものではない

ここまで恋愛の話を書いてきましたが、香りが効くのは恋愛だけではないと思っています。

ふとすれ違った男性から良い匂いがすると、同じ男性の私でも、その人を一段上の存在だと感じます。名前も知らない、言葉も交わさない相手なのに、です。

恋人になりたい人に思い出してもらうときも、すれ違うだけの誰かに感じてもらうときも、香りは言葉より先に届いている。私はそう感じています。

▼私が使っていたハンドクリーム

サンタール・エ・ボーテの、ホワイトティーの香りのハンドクリームです。日本ではあまり出会わない、甘すぎない白茶の香りです。小さいので、デートのときだけ持ち歩くのにも向いています。


サンタール・エ・ボーテ UVハンドクリーム ホワイトティー

使う前に知っておいてほしいこと

  • 香りの好みは人それぞれです。相手が香りを苦手にしていないか、渡す前に様子を見てください
  • 香りで頭痛や吐き気がする人もいます。消費者庁などは「その香り困っている人もいます」と呼びかけています
  • 肌に合わないことがあります。初めて使うときは少量から。赤みやかゆみが出たら使うのをやめてください

あわせて読みたい

目次